普通

2010年6月17日

武士道ワンポイントレッスン
九回目のテーマは「普通」
普通というと、なんとなく良くもなく悪くもなく・・・と思うのではないでしょうか?
でも、字を調べると全く違うことがわかります。
“普” は「あまねく」という意味です。
そして、「あまねく」とは “もれなくすべてに及んでいる” という意味です。
“通” は「精通していること」「全体に行き渡る」「 物事を広く知っている」という意味があります。
“普通” とは、「もれなくすべてに通じている」 ということになるのです。
だから軽く、「うちの子は普通でいいわ」なんて言う方が良くいらっしゃいますが、すごいことをおっしゃっているわけです。
「うちの子は、もれなく総てに通じている位がいいわ」と言っているようなものだからです。
母国語となると言葉を無意識に使うことが多くなります。
また、使う人によって、その単語の意味を違ってとらえていることも多々あります。
「けっこうです」 と言われたとき、これを「いいですよ」と「いりません」のどちらにとりますか?
この単語だけでは推し量ることはできず、発言した人の表情や前後の言葉によって判断しているはずです。
これが日本語なんですね。
感情を読み取らないと意味を取り違えてしまうのです。
「普通でいい」のではなく、「普通だったらいい」と使ったら良いのですが、一般的に「普通だったらいいわ」と使ったら、「どこか足りないの?」とか「そんなに(程度が)悪いの?」などと誤解されそうですね。
ただ、正しい意味をわかった上で、一般的に流通している意味での普通を使うことで、日本語特有の言霊のメリットを得ることができると思います。
そして、普通であることに感謝をして、普通にできない人の助けをしてあげることができたら、きっと文字の持っている本当の意味での普通になれると思います。
みんなで普通になりましょう。

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