「迷い」

2010年7月10日

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武士道ワンポイントレッスン
18回目のテーマは「迷い」
迷う時はどのようなときでしょう。
私のところには、よく相談がきます。
その時、どうしようか迷っていますという質問や相談もかなり多くあります。
よくよく考えてみると、損得勘定で選択しようとしている時に迷うように感じます。
損か得か?
これは一か八かの勝負になってしまいます。
まさに丁か半か!!
損得で考えているから、足許を見られてかえって損をしたり、自分の欲を満たしたいが故に、詐欺に遭ってしまったりするんです。
だから、損得勘定で判断しなければ、意外と詐欺にも遭わないかもしれませんね。
それではここで、私が以前迷った時の苦い話をしましょう。
今から何年か前に、ある女性参議院議員の秘書の一団から、バーチャルでの土地の売買をしないかと声がかかりました。
その時はかなり有名になった方だったので、とても信憑性があり、直ぐにでもやりたいと思いました。
だから申込書まで書いてしまいました。
私はよい話は直ぐに知り合いに教えたくなる方なので、数人の男性に声をかけました。
すると一人の方から「これはインチキだ。絶対に将来何億円単位の訴訟問題になる。あなたは武士道を志しているのではないのですか?」と厳しい言葉を戴きました。
私は「武士道を一番伝えたい所に伝えるチャンスだからですよ」と心で思っていました。
私は、バーチャルの世界で土地と店を買い、そこで“寺小屋武士道”をやろうと思ったのです。
欝や引きこもりの人に、武士道を伝える事で、辛い毎日から脱却してもらえるのではないか?と期待をしたのです。
欝や引きこもりになってしまうと、家からどころか部屋からすら出ないから、外で講習会をしても無理だと思ったのです。
だから、もってこいの話しだと思いました。
丁度その頃、外国産のバーチャル版に大手企業が続々と出展するという時期でした。
厳しい言葉を戴いても、まだ超有名になった女性参議院議員さんも申込書をかいていたのに・・・と信じられず迷っていました。
その時偶然バーチャルの話を普通の主婦の方がしているのが耳に入りました。
「このバーチャルの土地をかうのって、ねずみ講と一緒でしょ? 楽してお金が入るって奴ね」
この最後の一言に私はのけ反ってしまいました。
私が一番やりたくない事、私の信念に反する事と思っていたことではないですか!!
武士道を目指す人は、鍵山秀三郎先生のように汗を流して、自ら身体を使って働き、大きな努力で小さな成果を望む。
これが私の生きる目標と決めていたからです。
一気に目が覚めたというか、いけない!!いけない!! これでは何の為に寺子屋武士道を開こうとしているのか分かったものではない。
そこで、厳しいお言葉を戴いたことを正直に伝えて、お断りさせて頂いたという経験がありました。
それがここ最近、訴訟問題となりマスコミを賑わせていました。
あの時、自分の希望(欲)だけで決めず、信念に照らし合わせて決断をして良かったと改めて思った次第でした。
この様に、武士道を広めたいという、一見社会貢献ではあるのですが、その裏には私の欲が隠されていました。
早く広めたい、これで結果が出れば広まれば武士道を毛嫌いしている人たちも認めてくれるだろう。
こういう思いがありました。
純粋に人を助けたい、という思いだけではなく、自分の進む道が早く開けるようにという願いが大きくありました。
これは正に欲以外の何ものでもありません。
あえて私の恥ずかしい経験を掲載したのは、相談に乗る側の私だって、ダメな人間の経験も沢山している事を分かってもらった方が良いと思ったからです。
この日から、私は判断を迫られた時は、欲が有るか無いか? そこを先ずチェックします。
それから、欲(損得勘定)がない状態になってから、まず恩を仇で返すようなことはないだろうか? と考えます。
そして、話を持ってきた人の損得も考えます。
また、これは自分にとって好きなことで夢中になれることだろうか? と考えます。
最後に、これをする事でどのような社会貢献ができるのだろうか? 誰かを喜ばすことはできるのだろうか? と考えます。
これだけの判断材料を集めてから、判断を下すようにしています。
だから、最近は決断をした後で後悔するようなことが少なくなってきました。
迷いは損得勘定だxからです。
損得勘定はお金だけでなく、名誉、評判、手柄、なども入ります。
良く思われたいが故に『NO』が言えなくて苦しい思いをした、なんていうのも正に損得勘定で判断していると思いませんか?

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